甲状腺疾患のお話

甲状腺とは、身体全体の新陳代謝を促進する働きがある「甲状腺ホルモン」を分泌しています。
甲状腺の働きに異常があらわれると、甲状腺ホルモンの分泌量のバランスが崩れて以下のような症状がでます。

●甲状腺ホルモンが多い時の症状
疲れやすい、汗かき、暑がり、理由なく体重が減る、集中力の低下、動悸や息切れ、首や喉元あたりが腫れる、手指の震え、不安感、頻脈、月経の回数が少ないまたは無月経、眼球突出 など。

●甲状腺ホルモンが多くなる病気
甲状腺機能亢進(こうしん)症と言い、代表的な病気として「バセドウ病」「亜急性甲状腺炎」「無痛性甲状腺炎」「機能性甲状腺結節」があります。

●甲状腺機能亢進症を治療せずにいると…
甲状腺機能亢進症の中でも、バセドウ病を治療せずに放置していると死に至ることもあります。実際に毎年200人前後の方が、バセドウ病が原因で死亡されます。
どのような状態になるかと言うと、低栄養状態になったり、脈拍数が速くなって心不全を起こしたり、肝臓の異常をきたすなど、全身に影響がでます。その他にも、妊娠に影響したり、抜歯などの一般的な医療行為も安全に受けることが出来なくなったり、感染症に掛かった場合はバセドウ病の症状が一気に悪化する事もあります。
しかし、きちんと治療を受けて甲状腺ホルモン量を安定させれば、このような事態が起こる可能性は大きく下がります。


○甲状腺ホルモンが少ない時の症状
疲れやすい、寒がり、肌が乾燥する、むくみやすい、食欲の低下、理由なく体重が増える、気持ちがしずむ、日中の眠気や倦怠感、抜け毛、無排卵や無月経、首や喉元あたりが腫れる、便秘 など。

○甲状腺ホルモンが少なくなる病気
甲状腺機能低下症と言い、代表的な病気は「橋本病(慢性甲状腺炎)」です。軽症を含めると成人女性の30人に一人と高頻度に見られるとされています。

○甲状腺ホルモン低下症を治療せずにいると…
血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールが多い状態が持続し、「心筋梗塞」や「狭心症」などの虚血性心疾患や、「心不全」などの合併症が起こる事があります。また稀にですが、中枢神経系に機能障害を起こす「粘液水腫性昏睡(ねんえきすいしゅせいこんすい)」という重篤な合併症が起こる事もあります。

当院では、超音波エコー検査や血液検査で甲状腺疾患の診断をいたします。
上記のような症状がある場合や、ご相談だけでも、お気軽にご受診ください。

甲状腺疾患についてはコチラから

2022年03月25日